歯が痛い・しみる人のための歯磨き粉の選び方

歯が痛い・しみるときに考えられる原因

歯が痛い、あるいはしみると感じたとき、それにはいくつか原因が考えられます。原因を特定するにはまず、それ以外の要素との組み合わせを探ってみましょう。

冷たい飲み物や食べ物 × 歯が痛い、歯がしみる

氷の入った冷たいお茶やアイスコーヒーなどを飲んだとき、またはアイスクリームやかき氷なんかを食べたときなどに、歯がキーンと痛んだりしみたりするという場合、考えられる原因の第1位は「知覚過敏」です。これは歯の表面を覆っているエナメル質がすり減って中の象牙が向きだしになっていると起こります。ひどくなると空気が触れるだけで痛かったりしみたりするので、口を開けるのも辛くなります。

熱い飲み物や食べ物 × 歯が痛い、歯がしみる

熱いお茶やコーヒー、お味噌汁などを飲んだとき、または熱々のピザを噛んだときなどに歯がズキンと痛んだりしみたりするといった場合に、まず多いのは「虫歯」です。虫歯が歯の神経に到達すると歯が痛みますが、さらにこれを放置すると根尖病巣といって骨が溶けて膿が溜まるという恐ろしい状態になるため、虫歯は早めの治療が必要です。

歯茎の腫れ × 歯が痛い、歯がしみる

歯が刺激を受けたときに痛んだりしみたりするとまずは上記の知覚過敏や虫歯を疑いますが、その時に歯茎をチェックしてみてください。歯茎が腫れていたり色が変わっていたりしたら、歯周病かもしれません。歯周病になると歯茎が下がって歯の見えている部分が長くなるため、歯根が露出して痛んだりしみたりするようになります。さらに歯茎に出血が見られるような場合は、ただちに歯周病対策を始めることをおすすめします。

歯槽膿漏の改善ができる歯磨き粉はない

歯が痛んだりしみたりする症状の原因が歯周病であった場合、歯周病の中でも歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏、と様々な進行具合が考えられます。比較的軽めの歯肉炎だった場合は、歯磨きのしかたを改善したり歯磨き粉を適切なものに変えたりすることで症状を緩和し、口内環境を改善することが可能かもしれません。

しかし、これが歯周病の最終段階を表す歯槽膿漏と呼ばれる状態まで進行していた場合、歯磨き粉を変えたり磨き方を変えたりしても、できるのは多少の症状の緩和だけです。つまり、歯槽膿漏を治せる歯磨き粉は存在しません。すでに歯を支える骨が溶けていたり、それによる影響で膿が溜まっていたりするため、必ず歯科医院での治療が必要になります。

ここまで病状が悪化する前の段階で気がつくことができれば、歯磨き剤の選び方によっては状況を改善することも可能です。日本人の9割は歯周病と言われるほどメジャーな病気ですので、まだ自分は大丈夫と思っているうちに良い歯磨き粉をチェックしておいたほうがいいでしょう。